2013年4月26日

上海市第二中級人民法院が選んだ2012年知的財産権十大主要判例の中には、BOB-NORSNが代理人をつとめたミッフィー商標権侵害・不正競争事件が含まれている。本件は有名なアニメキャラクター「ミッフィー」関連の事件であった。本件の判決は被告の商標権侵害、包装の偽造、商号の悪意登録と使用などの侵害行為を総合判断し、権利者の利益を十分に保護している。

ミッフィー(miffy)はオランダの有名な絵本作家、ディック•ブルーナが1955年に作ったキャラクターである。彼は単純な線で丸顔、小さい口、点のような目、長く尖っていた耳と笑顔満々のかわいいキャラクターを描いた。そしてシンプル、きれい、単純、利口な気質を持ち、世間に知れ渡るキャラクターになった。発売されたミッフィーの絵本シリーズ、ビデオ製品などの早期教育の作品は十数ヶ国語に翻訳され、世界に広く伝播し、各国の人、特に子供のあいだで人気を集めている。ミッフィーは「オランダの国宝」とも呼ばれている。

本件の概要は以下のとおり:

原告:梅西斯有限公司(オランダ)
被告:深セン市米菲体育用品有限公司等

原告梅西斯有限公司は多国籍企業として数十年来、ミッフィー(miffy)の知的財産権管理と事業開発に取り組んできた。ミッフィー関連のキャラクターを著作権と意匠権登録したのみならず、国際登録出願することにより、中国国内で「米菲」、「MIFFY」、ミッフィーの図案などの商標権を取得した。原告が事業化している子供靴はミッフィーキャラクターの包装を使用している。被告深セン米菲公司等が生産、販売した子供靴は「MINIFY」などの標識および、原告のものと類似する包装を使用しており、「米菲」文字を商号に使用している。

上海市第二中級人民法院が審理した結果、被告深セン米菲公司等が「MINIFY」などの標識を使用、宣伝する行為は商標権侵害行為であると判断された。被告深セン米菲公司等が原告の著名商品の特徴的な包装を偽造し、「米菲」文字を商号登録する行為は不正競争を構成する。法院は被告に対し、侵害行為の停止、原告へRMB35万元の賠償、商号変更および新聞での謝罪広告掲載を命じた。

情報源:上海法制報(2013年4月26日B07法制専版)
http://newspaper.jfdaily.com/shfzb/files/20130426/308434.PDF

参考URL:
1.Miffyホームページ:http://www.miffy.com/
2.「ミッフィー」が上海で模倣対策 オランダ企業が35万元の賠償金を獲得
http://www.chinanews.com/cul/2012/04-20/3835803.shtml
3.オランダ企業が中国の知的財産権保護を称賛
http://www.sipo.gov.cn/mtjj/2013/201307/t20130717_808215.html